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【ケースで異なる】空き家を解体して更地にすることの「メリット・デメリット」

2019年9月4日

空き家を解体することで、ゆずり受ける方の土地の活用法が広がるなどメリットがある一方で、デメリットも存在します。

更地にすることによるメリット・デメリットおよび費用の目安など、物件の解体に役立つ情報を解説します。

空き家を解体して更地にする「メリット」

空き家を解体して、更地にすることのメリットには次のようなものがあります。

①空き家がある状態より譲渡しやすくなる

空き家がある状態よりも、解体費用を負担し更地にしてゆずり渡す方が、一般に「譲渡しやすい」と言えます。

今は土地の活用方法も多岐におよび、マンション建設・畑・倉庫・太陽光パネルの設置など、事業利用も含め多様な用途に活用を検討することが可能となります。

 

②維持管理がしやすくなる

物件がなくなることで、不動産の維持管理にかかる負担は軽減されます。

ゴミ処理や定期的な換気、除雪対応、近隣からのクレームなど、空き家があることで起こりうるリスクが低減することとなります。

 

空き家を解体して更地にする「デメリット」

空き家を解体して、更地にすることのデメリットには次のようなものがあります。

①固定資産税の増加

更地にすることで、固定資産税は住宅用地ではなく更地としての評価となります。そのため税額は6倍に跳ね上がることとなります。

固定資産税は毎年1月1日付で評価されるため、年をまたいでいつまでも譲渡先が決まらないと、上がったままの固定資産税を払い続けることとなります。

 

②滅失登記の費用

空き家を解体した場合には、1か月以内に法務局で「建物滅失登記」をする必要があります。自分でやる場合、手続き自体に費用はかかりませんが、「土地家屋調査士」に依頼する場合には、代行費用(4万円程度)がかかります。

 

③隠れたリスク

更地にすることで、想定していなかった不具合(瑕疵)が生じる可能性もあります。隣地との境界トラブルや、埋設物の存在、土壌汚染、土地の利用制限などが見つかると、譲渡先探しが難航するでしょう。

こうしたトラブルの解消に、別途追加費用がかかる可能性があることも、頭に入れておきましょう。

 

物件の解体に役立つ情報

物件を解体する上で役立つ、解体費用支援制度に関する情報です。

解体にかかる費用

建物の解体費用は、一般に

木造:1坪当たり4~5万円
軽量鉄骨造:1坪当たり6~7万円

と言われています。

延床面積が30坪の一般的な木造一軒家であれば、解体費用としては、150万円程度がひとつの目安となります。

 

しかしそれほど多額の費用がかかるにも関わらず、施工条件(重機の入りやすさなど)や建物の構造使用している素材等によって大きく金額が変動することが珍しくありません。

物件の解体にかかる費用を、専門業者から複数の見積を一斉に取得し、事前に比較しておけると安心です。

 

空き家解体のための補助金制度

国土交通省では「空き家再生等推進事業」という施策が用意され、うち「除却事業タイプ」では、不良住宅・空き家住宅・空き建築物などの除却等に要する費用の一部が助成の対象となっています。

補助金の上限額や割合は、各自治体によって異なるため、詳細は物件の所在する自治体に確認しましょう。

 

まとめ

空き家を解体して更地にすることの「メリット・デメリット」を解説しました。

それぞれの状況に合わせて、いずれの状態がよいのかを検討するようにしましょう。

また解体費用は施工条件等によって大きく異なります。

なるべく複数業者から見積もりを取り、また物件の所在する自治体の補助金などをうまく活用するようにしましょう。

 

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