お金・税金 無償譲渡に役立つ知識

【個人と法人で異なる】不動産無償譲渡時の課税関係について整理

2019年8月5日

不動産が無償譲渡される場合、それぞれ当事者が個人か法人かで、課される税金の内容が異なります。

4つそれぞれの基本ケースにわけて、整理してみましょう。

税務手続等を行う際は、税務署もしくは税理士等の専門家に最新の税制等について確認することをお勧めします。

4つの基本ケース

ケース 贈与者 受贈者
①個人→個人 課税なし 贈与税(相続税法21条)
②個人→法人 みなし譲渡所得課税(所得税法59条1項) 法人税(法人税法22条2項)
③法人→個人 法人税(寄付金課税)(法人税法22条2項、法人税法37条1項) 所得税(一時所得)(所得税法34条1項、所得税法基本通達34-1)
④法人→法人 法人税(寄付金課税)(法人税法22条2項、法人税法37条1項) 法人税(法人税法22条2項)

無償譲渡には、思わぬ課税関係が生じる場合があります。
時価1,000万円の土地(取得価額500万円)を贈与した場合を例にとって解説します。

 

①個人→個人の場合

不動産が個人から個人へ無償譲渡される場合に課される税金は、

(あげる側)課税なし

(もらう側)贈与税(相続税法21条)

が発生します。

時価1,000万円の土地(取得価額500万円)を贈与した場合は、その1,000万円が贈与税の課税価格に算入されます。

 

②個人→法人の場合

不動産が個人から法人へ無償譲渡される場合に課される税金は、

(あげる側)みなし譲渡所得課税(所得税法59条1項)

(もらう側)法人税(法人税法22条2項)

が発生します。

●贈与者は、時価の1,000万円から取得価額の500万円を差し引いた金額の500万円が譲渡所得の金額となります。

ただし、一定の公益法人等に対する寄付をした場合で、一定の要件を満たすものとして国税庁長官の承認を受けた場合には、みなし譲渡所得については非課税とする規定があります。(租税特別措置法40条)。

●受贈者は、時価の1,000万円が法人の益金の額に算入されます。

 

③法人→個人の場合

不動産が法人から個人へ無償譲渡される場合に課される税金は、

(あげる側)法人税(寄付金課税)(法人税法22条2項、法人税法37条1項)

(もらう側)所得税(一時所得)(所得税法34条1項、所得税法基本通達34-1)

が発生します。

●贈与者は、時価の1,000万円が譲渡収益として法人の益金の額に算入され、同額が寄付金の額とされます。寄付金の額のうち一定額は、法人の損金の額に算入されません。また、取得価額の500万円は譲渡原価として法人の損金の額に算入されます。

●受贈者は、時価の1,000万円が所得税の一時所得の総収入金額に算入されます。その年の一時所得の総収入額から50万円の特別控除額を差し引いた金額の2分の1の金額が一時所得の金額として課税の対象となります。

勤務先からの贈与である場合には、一時所得ではなく、給与所得として課税されます。

 

④法人→法人の場合

不動産が法人から法人へ無償譲渡される場合に課される税金は、

(あげる側)法人税(寄付金課税)(法人税法22条2項、法人税法37条1項)

(もらう側)法人税(法人税法22条2項)

が発生します。

●贈与者は、時価の1,000万円が譲渡収益として法人の益金の額に算入され、同額が寄付金の額とされます。寄付金の額のうち一定額は、法人の損金の額に算入されません。また、取得価額の500万円は譲渡原価として法人の損金の額に算入されます。

●受贈者は、時価の1,000万円が法人の益金の額に算入されます。

 

まとめ

4つの基本ケースを整理すると、個人が物件をあげる際に「非課税」なのは、相手が個人のときのみとなり、それ以外の「法人」が関与するケースは贈与する側・される側いずれにも課税関係が生じる場合があります(不動産の時価等による)。

 

また事前に時価を調べておくことで、おおむねの税額を把握することができます。

細かい点はお近くの税務署や税理士に確認しながら、物件の今後のゆくえについて検討するようにしましょう。

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